映画「僕らはみんな生きている」感想、ネタバレ

こんにちは。たぬきです。今回は映画「僕らはみんな生きている」の感想を書いていきたいと思います。1993年に公開され監督は「おくりびと」で有名な滝田洋二郎です。

 

あらすじ

バブル期の4人のビジネスマン 高橋(真田広之) 中井戸(山崎努) 富田(岸部一徳) 升本(嶋田久作)が架空の国タルキスタンで商談を行っていたところ反政府ゲリラのクーデターに遭遇し命からがら脱出する話です。

 

感想、ネタバレ

滑稽な日本人

パーティで反政府ゲリラの襲撃が始まっても最初はなにが起きてるかわからず立ち尽くすだけ、周りの現地人はすぐに身を隠したり逃げ出したりしているので対照的です。また、市街戦を行っているところを名刺をばらまきながら「私たちは日本のサラリーマンです」と現地語で叫びながらやり過ごそうとします。実際にこのようなことはできないと思いますが、その当時の日本人を自虐的にコメディタッチに描かれています。

仕事に人生をささげた男達

中井戸が逃走用に買い取ったジープの料金の一部を負担するように富田に要求すると、皮肉で領収書がないと払えないと話し升本に「生きるか死ぬかのときにまで会社を背負って」と問い詰められます。ジョークで話しているのでしょうがこんなときにまで会社や金のことを話してしまいます。

無事空港に着いた3人は中井戸が洞窟で手帳に書いた内容を見るとそれは日本にいる元妻に向けた遺書ともいえるもので日本に戻ってきちんと話し合えばよかったなどの内容でした。富田も似た内容のことを書いていたと話しあいつらはなんにもわからないんだと家族のことを罵ります。確かに家族を養うために一生懸命働いていたと思います。しかし、家族の立場からすれば何年もほったらかしにされているように感じると思います

ゲリラに拘束された中井戸を助けるため3人は政府軍の無線が傍受できる無線機を売って代わりに中井戸の身柄を要求します。土下座して頼むが司令官は拒否します。それに逆ギレした高橋がソニー、三菱などの日本の一流企業の名前を出しながらメイドインジャパンであることを叫びます。その話の中で「親父は日立に勤め年賀状は300通来ていたが退職したら7通になった。人生の293通分会社にささげた。ばかみたいだろ。ばかみたいだが体が働くんだよひとりでに」と泣き叫びながらメイドインジャパンだと訴えていました。仕事に全てをささげた男達の人生が見えてきます。結果、高橋の熱意によって中井戸は解放されます。

 

一番好きなシーン

中井戸を助けようと3人で話しているときに富田が通信教育で柔道の黒帯をとった話しになり技を披露します。右手で腰をパンパンとはたき払腰だとジョークを言います。とたんに2人は爆笑します。心底楽しそうにしている感じがします。最初は商売敵として対立していましたが、一緒に命がけで逃走したなかで出来上がった信頼関係を感じることができるこのシーンが好きです

 

まとめ

家族のために働いていたはずが気がついたら会社のために働いていた。仕事のためなら私生活は犠牲にして当然という当時の価値観(今でも十分残っていますが)を皮肉っぽくコメディタッチに描いています。最後の高橋の叫びは胸に来るものがありますが、人を説得するのも仕事の話をしなければできないというのが辛いところです。自分があの場にいたらどんなことを話すか、考えてもなかなか出てきません。なにやら自分の価値観や人生のことまで考えてしまいました。